夢見る頃を過ぎても その5 「働き方はひとつではない」  

月1回、某ネット媒体に掲載されているコラム。
今回で5回目。渡した原稿が編集されると、そもそもの意図とは違う捉え方も
できてしまうこともあるので、生原稿を必ず自分のブログに出しています。

今月は、女性の働き方について。
この文章から「クラウドママ」なんて言葉を産んだ編集者さん、すごい。

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夢見る頃を過ぎても 第5回
「働き方はひとつではない」

働く人が、全員「在宅勤務」という組織がある。お子さんを持つ30代、40代の女性たちが中心だ。毎朝お互いの顔を見てミーティングもやるし、聞きたいことがあれば話もする。ただし、それらのやりとりがすべて、インターネットを介して行われる、というのが、一般の事業会社でのお勤めとは違うところ。パソコンと、ネット回線と、ウェブカメラと、マイク付きヘッドセットがあれば仕事はできる、というわけだ。だから住む場所も選ばない。東京中心ではあるけれど、関西や北陸からアクセスしているスタッフもいる。
彼女たちは、たまたま仕事場が自宅なだけであって、フツーにお勤めしているのと変わらない緊張感と責任感をもって業務にあたっている。

ウエストがゴムのスカートをはいていようが、すっぴんでいようが、全くの自由。でも、毎朝ウェブカメラを繋いで、お互いの顔をちゃんと見ながらミーティングをするから、髪の毛に寝癖がついたままの状態でカメラ前にスタンバイする人は、さすがにいない。みんな、人前に出られる状態にはなっている。今は、「スカイプ」をはじめ、映像や音声をやりとりできるツールがたっくさんあり、「在宅勤務」というのが一昔前よりずーっと身近になっている。

 この働き方の最大のメリットは、「通勤」のための時間を取らなくていい、というところだ。「働く人」である彼女たちは、「お母さん」でもある。毎日自分で子どもたちを送り出し、そのまま自宅で仕事をし、そして学校の終った子ども達を迎えることができる。ラッシュ時の通勤電車に乗ることで生じる肉体的精神的疲労を感じずに済むのだ。もちろん、仕事上の様々な苦労はあるが、「通勤」にまつわるストレスがないのは非常に大きなアドバンテージだろう。

 台風だったか大雪だったか、全国的に小学校が学級閉鎖になったことがあった。普段、子どもたちが学校に行っているはずの時間にウェブミーティングをするのだが、この時は各家庭に子どもたちがいた。いつもはいないはずの子どもがウェブカメラに映り込む。マイクをオンにしていることを忘れて、つい子どもを叱る声もする。「ママお仕事中だからこっち来ないで!」(笑)。
ちょっとしたカオス。
仕事中なのだから、子どもがウェブカメラに映りこむなんてダメじゃん、と思うかもしれない。でも、そういったユルさを許容できるのは、普段の仕事ぶりをお互いが理解しているからこそ。声だけでなく、ウェブカメラ越しではあるけれど、顔を見て話をする。年に数回は、全員で集まる機会を持つ。その組織を運営する側は、オフィスを持つ必要がないので、コストがかからない。ウェブミーティングをスムースに開催するためのツールに少しの固定費は必要だが、オフィスを持つことと比べれば微々たるものだ。そしてお母さんたちは、働きに対する報酬もきちんと得ることができる。

「女性の活躍推進」を、政府が中心になってことさら声高に叫ばなくても、企業や組織のトップがちょっと視点をずらすだけで、方法はいくらでもあるのではないか。この組織に関わるようになってから、本当にそう感じる。セキュリティの問題や、扱う商品・サービスによるところも大きいので、どの組織でもできるわけではないとは思う。ただ、インターネットのおかげで世界がこんなに「せまく」なっていることは、新しい働き方に大きなヒントを与えることは間違いない。エライ人たち、もっと真剣に考えてみたらどうだろうか。 

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