夢見る頃を過ぎても 8 「チェンジ」にまつわるエトセトラ

去年の夏から、着付けを習い始めた。Facebookに、着物姿の写真が多いのもそのせいだ。
ここ2ヶ月くらい、着物を着るたびに、髪をアップにするのが面倒くさいなあ…と思っていた私がある禁じ手に出た(笑)。

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春。年度が変わり、周りの色々なことが「チェンジ」する季節だ。自発的に何かを変えるためのアクションを起こさなくても、3月・4月に生活環境が変わる人は多いだろう。夫の転勤。子どもの卒業や入学。30代・40代の女性はむしろ、自分以外の誰か・何かによって変化をもたらされることの方が多いかもしれない。
特に、大変なのが転勤族の妻たち。「転勤族」なんて言われるくらいなのだから、自分の夫が会社命令によりあちこち動かされるのはわかっているはず。それでも、子どもの学校のことや、これまで築いてきた周囲との関係性を、転居先の新しい土地で、また一から作り上げていかねばならないのか…と思うと、少しうんざりする。この時期、環境の変化に対してストレスを感じている妻たちは、実は結構多いのだ。

「ストレス」と聞くと、「悪いもの」と捉えられがちだが、実はそうではない。カナダの生理学者、ハンス・セリエのストレス学説(1938年発表)によれば、ストレスは「周囲で起こっている出来事に対して、心身がその状態に適応しようとエネルギーを発生している状態」のことだという。ストレスそのものはよいものでも悪いものでもなく、適度なストレスがかかっているのが、いい具合にエネルギーを発生している状態なのだ。ストレスのかかり具合を「ストレスレベルが高い/低い」と言うが、ストレスが全くかかっていない、というのは、エネルギーが発生されていないことと同義で、ストレスレベルが低すぎる状態、ということになる。逆に、ストレスレベルが高すぎるのは、心身にとってよくないことを引き起こす原因となりやすい。

夫の転勤の辞令が出てから、転居先を決めるまでの時間は短いし、その間に引越し業者との打ち合わせはしなきゃいけないし、子どもの学校のこともあるし、ママ友たちとランチ会もしなきゃいけないし(笑)…。どうせやらねばならいないことなら、少しでも楽しく動こう。「〇月×日までに荷物の梱包を終らせなきゃならない」という状況ならば、「面倒だな、辞令出たばっかりで、もう梱包しなきゃいけないなんて…」と思うより、「どうやったらこれだけの荷物をこの日までに梱包できるか、家族で作戦会議だ!ゲームっぽくしたら、子ども達も協力してくれるかな」と考えた方がずっと楽しい。同じことをするのでも、視点をちょっとずらすだけで、ストレスレベルは適度なものになるのだ。

さて、自分自身による簡単な「チェンジ」の方法もいくつか紹介しておこう。筆頭は習い事。全く新しい何かを始めることで、新しい自分に出会えること請け合いだ。語学、楽器、着付け、絵画…。自身の経験からだが、予備知識が少なければ少ないほど、長続きするように思う。昨年から習い始めた着付けは、1回も休むことなく通い続けている。

次に、変身。ちょっとしたことでいいのだ。例えばいつもとは違うネイルを塗ってみる。これまであまり身に付けていない色の服を着てみる。夫が気付いてくれない?そんなことはどうでもいい。自分自身で「チェンジ」を楽しむのだ。私がこの春経験した変身は、「ウイッグ」。きっかけは、着物を着るときに、いちいち髪をアップにするのが面倒くさいな、と思ったこと。肩から15cm程度の長さ。ショートヘアで着物、というのにも憧れるけど、ここまで伸びた髪を切るのもちょっと勇気が必要だ。そこでショートヘアのウイッグ。手ごろな価格のものをネットで入手。

「あら、これ、いいじゃない♪」 
Facebookにアップした写真の評判も上々。結局、そのウイッグよりもさらに短くカットしてしまったのでした(笑)。

春のチェンジ、どうやって楽しみますか―?
2015-04-04 19.00.25

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